好き嫌いする菌となんでも食べる菌~生存戦略と進化~
こんにちは!
変態ゴキブリ博士ですw
今回は昆虫に感染する菌のお話です。
昆虫病原性糸状菌や昆虫寄生菌と呼ばれています。
↑カブトムシにくっついてる白いやつが菌です↑
昆虫に感染する=寄生するすなはち昆虫から栄養を奪って増殖します。
つまり、この菌たちは昆虫を食べて生きているとも言えます。
彼らはとても個性豊かで似たような見た目でもバッタばかり食べる子やコガネムシばかり食べる子もいるし、好き嫌いせずに色々な虫を食べる子もいます。
しかし、好き嫌いする菌となんでも食べる菌は住んでいる地域がキッパリ分かれています。
好き嫌いする菌は熱帯や亜熱帯などの気温の季節による変動が少ない熱帯や亜熱帯に、なんでも食べる菌は気温の季節による変化の多い温帯に生息しています。
なぜ気候の違いによって好き嫌いするようになったりなんでも食べるようになったりしたのでしょうか?
菌の気持ちになって考えてみましょう。
まず、日本は温帯です。
四季折々で暑くなったり寒くなったりしますよね。
暑い時期には薄着になったり冷房をつけたりうちわであおいだりして暑さをしのぐための行動をとっていると思います。
一方で寒い時期は厚着になったり暖房をつけたりおしくらまんじゅうをしたりして体を温めようとしていると思います。
このように気温に合わせて服装や空調などを調節していますよね。
しかし、熱帯や亜熱帯などの暑い時期しかない場所ではどうなのか。
おそらく年中薄着で冷房をつけてうちわであおいだりしているでしょう。
ずっと暑いので服装や空調を調節する必要がないです。
冬服や暖房はいりません。
菌に置き換えると、温帯では暑さにも寒さにも適応しなければいけませんが熱帯や亜熱帯では暑さにさえ適応すればいいわけです。
温帯の菌は気温の変化に適応しなければいけないので食べ物を選ぶ余裕はありません。
熱帯や亜熱帯の菌は気温の変化に適応する必要がないので温帯の菌と比べて食べ物を選ぶ余裕があります。ある特定の昆虫のみを食べることを「選んだ」といよりは「究めた」という感じです。
ある特定の昆虫を食べるすなはち寄生することを究めることによって着実に栄養を獲得して生き残ってきた。
それに対して温帯の菌は気温の変化に適応し、そこにあるものを選り好みせずになんでも食べるという戦略で生き残ってきた。
という風に考えられています。諸説ありますが( ̄▽ ̄;)
似たような見た目だけれども環境の違いから異なる生存戦略をとってきて、その結果、異なる進化の道筋をたどった。
あれ?
なんか人間が生まれてから成長していく過程に似てないか?w